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アシスタントの独り言

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アシスタントの独り言

バックナンバー①
ある料理番組の中で出てきたキーワード「火を通しても新鮮 形を変えても自然」
その言葉を聞いた時に胸に突き刺さる何かがあった
さっと聞き流してしまえば何気ないこの一言に 私ははっとさせられた

私の料理好きが始まったのは5年ほど前 あるフランス料理学校に通ったのがきっかけだ
一流レストランで働いていたシェフに教わる料理は芸術的で 奥深く 刺激的であり
見たことも食べたこともない食材に触れ シェフ達の素晴らしい技術を目の当たりにして 感動の毎日だった
実習の時間には食材が部屋の前に並べられ 授業開始と共に自分で取りに走る
まるでそれは試合開始のゴングが鳴り 一目散にベストな獲物(食材)に飛びつく料理の鉄人のよう
フライパンを火で煽り 大きな炎に怯えることなく立ち向かう姿は 高級ホテルの厨房にいるベテランシェフ
作った料理をシェフに試食してもらう姿は 総支配人に最後のチェックを受ける見習いシェフのようであった
実習の時間は そんな風に自分が本物の料理人であるかのように
イメージを膨らませ楽しむことの出来る時間だった
学生時代よりも遥かに真面目に勉強していた
今でも思う 学生時代あれほど真面目に取り組んでいれば かなりの秀才になっていただろうと
2年かけて通った学校が終わった時 何でもいいから料理に触れていたい
もっと色々な料理を勉強したいと思った
そして単純に「フレンチの次に勉強するなら和食でしょ!」と考えた
そうして探し当てたのが「割烹すずき」の料理教室だった

「割烹すずき」の料理に惹かれたのは その食材の素晴らしさだ
どんな調理方法をしても魚の臭みを全く感じなかった
さっと絞めただけの鯖も 軽く揚げただけのカレイも 蒸しただけの鯛も
感動するほど美味しかった
「今日はちょっと体調悪いな」と思う一日も なぜか「割烹すずき」の料理はお腹にいくらでも入る
食べ終わったときには体がすっきりして 元気になっている
この料理をもっと知りたい
どういう考えでこの料理が生まれてくるのか知りたい
ずっとここの料理に触れていたい
そんな思いから「割烹すずき」の料理教室アシスタントになった

「割烹すずき」の料理に触れながらも
色々なスパイスやハーブなどにも興味が沸き
様々な調理法や 技術 盛り付けにも関心は広がる
色々な料理を食べてみたくなり 一流店と言われるお店の味を確かめに行きたくもなる
そうやって足を運んだお店の中には 多くに手を加えすぎ 形を変えた料理があり 
奇を衒って(てらって)装飾に懲りすぎた料理もあった
そういう料理に触れるたび「これがどうして一流ともてはやされるのか?」と疑問が頭をよぎり
「本当に素晴らしい料理はどういうものなのか?」と迷いが出てくる

そんな時に出会った言葉が「火を通しても新鮮 形を変えても自然」というキーワードだった
はっとさせられた 「自分がいいな!」と心で感じる料理が そういうものである事に気づかされた
そして改めて 「割烹すずき」の料理がそうであると思った
素材を見極め それを活かした料理がここにはある
包丁の入れ方1つで刺身の味は変わる
それは実際にやってみたことがある人でないと 分からない
刺身1つ切るのがどんなに難しいことなのか
素材に最小限の手間をかけ 活かすことがどんなに大変なことなのか

料理教室でご飯を炊く 生徒さんが先生(割烹すずきの主人)に言われた通りに計量し 火を入れる
これで いつものご飯が数倍美味しくなるのだが
先生が目分量で 手の感覚で調味料を注いだご飯の方が 実は はるかに美味しく仕上がるのだ
味見はしていない なのに繊細で 絶妙な按配で味付けが成される
これにはいつも感動する

何十年もの経験がなせる業 真似したくても真似できない
身につけたくても自分で考え習得するしかない
「鈴木好次」でしか出せない味

素材を見極める目+「鈴木好次」の感性+素材を活かす技術
それが「割烹すずき」

まだまだ「割烹すずき」の料理から目が離せない
その時にしかない素材が どう調理されるのか
私はもっと知りたい
 
 
 
バックナンバー②
「塩」
私が大好きな料理番組「FooDictionary」http://www.bs-asahi.co.jp/food/index.htmlが最終回を迎えた。
毎回テーマ食材を決め、あらゆる角度からそのテーマ食材を追求していく番組。
そのテーマは、鴨だったり、米だったり、りんごだったり…と様々。
例えば、テーマ食材が「栗」の場合、栗に詳しいパティシエを招待して和栗、フランスの栗、イタリアの栗をそれぞれ食べ比べ。
それをモンブランとして作った場合の相性のいいクリームを追求する。
そんなマニアックな番組の最終回は「塩」がテーマだった。
美味しい食材は山ほどあるのに、最後の最後は「塩」
でも、この番組らしい。
「なるほどそう来たか!」と私。
どういう切り口で来るのか、最終回を楽しみにしていた甲斐があった。
まず、番組では塩の製法を軽く説明してから、塩の振り方によって料理の味がいかに変わるかという話に移る。
何をするのかというと、「番組アナウンサー」と「食のプロ」が鶏肉に塩を振り、それをシンプルに炭火で焼き、味が違うか食べ比べ。
「番組アナウンサー」が塩を振った肉は 塩辛いと感じたり、味がないと感じたり。
食べた時に舌に当たる場所によって味にムラがあるようだ。
その一方で、「食のプロ」が塩を振った肉は 「まるで鶏肉そのものが塩気を含んでいるかのように感じる!」
という驚きの感想まで飛び出した。
塩は鶏肉に対して均一に振られているので素材と塩が完全に馴染み一体化しているのだ。
実に面白い!
そんな番組中に出てきたキーワードは「塩を制するものは料理を制す」
そこでふと思い出した。
割烹すずきの先生が魚に塩を振るときの仕草を。
まず、先生は指先に塩をつけ、魚全体に塩が散るように指先をはじく。
まるで、子供の顔に水を散らす時のようなしぐさ。
優しく、ふわっと指先を動かす。
指がすれるサッツサッツという音がする。
それが すずき流 塩の振り方。
料理教室では、そのやり方は難しいからと、手のひらに塩を乗せ、もう一方の手で手裏剣のように塩を振るようにと勧めている。
「そうすれば、満遍なく塩が魚に散ってくれるよ」と。
では、振る塩の量は?
以前、お客様が「穴子に塩を振って焼いたお料理が、本当に美味しかった」とおっしゃっていた。
そんな風に人を感動させられる塩加減って・・・?
先生はいつも簡単そうに、振ってみせるが。
いや いや!?
そうでもないかもしれない。
考えてみれば、塩を振る先生の顔はいつも真剣だ。
素材を見つめて、塩を振ることに集中している。
私は「塩加減が多すぎるのは塩辛くて美味しくないが、味が足りないのはもっと美味しくない。」と思う。
「味が足りない」と「塩辛い」の間にある、ほんの少しのゾーンだけが「旨い!」と感じるゾーンなのだろう。(イメージはこんな感じ。)
 

味が足りない 旨い! 塩辛い

この辺りだけが美味しいと思うところ
 
このほんの少しの「旨い!」ゾーンを感覚で捉える料理人は本当に凄い!
 
以前 私の料理を食べた弟に「調理はともかく、塩梅(あんばい)がねぇ~」と言われたことがある。
「言うことだけは一人前で なんと生意気な弟だ!」
その時はむっとしながらも、なるほどそれは正しい・・・と妙に納得。(確かにその時は塩加減がほんのちょっとだけ足りなかった。)
今でも私は家で料理をする時、その時の弟の言葉を思い出しながら 「塩加減が難しい~」と頭を悩ませている。
だから 料理教室では、是非 塩を振る先生の手元を見て欲しい。
意識しないと見逃してしまうが、せっかく目の前で見ることが出来るのだもの。
塩加減は、見て 味わって覚えるしかないのだから。
先生もじっと手元を見られるとドキドキしてしまうだろうから、こっそりと・・・ね(^^)
「塩を制したものでしか、本当に美味しい料理は作れない」
またまた、面白いキーワードが私の「FooDictionary」に加わった。
 
 
 
 
 
 

2014-07-15 14:38:03

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